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東京都町田市・相模原市の中小企業M&Aで役員借入金・仮払金・個人経費をどう整理するか 売却前に進めたい勘定整理と交渉実務のポイント

2026 6/19
コラム
2026年6月19日
東京都町田市・相模原市の中小企業M&Aで役員借入金・仮払金・個人経費をどう整理するか 売却前に進めたい勘定整理と交渉実務のポイント

東京都町田市・相模原市の中小企業M&Aで役員借入金・仮払金・個人経費をどう整理するか 売却前に進めたい勘定整理と交渉実務のポイント

中小企業の会社売却や事業承継を検討するとき、売上や利益、取引先の状況、従業員の雇用維持といった論点に目が向きやすい一方で、実際の初期相談でかなり多いのが「役員借入金が残っている」「仮払金が長年そのままになっている」「個人経費と会社経費の線引きがあいまい」「オーナー個人名義の資産や契約が混在している」といった勘定整理の悩みです。東京都町田市・相模原市・多摩南部の中小企業でも、オーナー経営者が長年にわたり会社を支えてきた結果、資金繰り対応や節税、緊急支出、設備更新のタイミングで、会計上の整理が後回しになっているケースは珍しくありません。

しかし、M&Aの局面では、この「後回し」がそのまま買い手の不安材料になります。財務デューデリジェンスの段階で役員借入金の返済条件が曖昧だったり、仮払金の内容が説明できなかったり、私的流用と誤解されかねない経費処理が残っていたりすると、企業価値評価が慎重になり、譲渡価格の減額、クロージング前の是正要請、場合によっては案件自体の停滞につながります。逆に言えば、売却前に論点を洗い出して整理し、合理的に説明できる状態を作っておけば、買い手の理解は進みやすくなり、交渉の質も大きく変わります。

本記事では、町田M&A総合センターが、東京都町田市・相模原市・多摩南部の中小企業M&Aを前提に、役員借入金、仮払金、個人経費、オーナー関連勘定をどのように整理していくべきかを実務目線で解説します。単なる会計論にとどまらず、会社売却・事業承継・企業価値評価・秘密保持・買い手候補探索の現場で、なぜこの論点が重要なのか、どの順番で整えるべきか、どこまでを売却前に片付け、どこからを交渉条件に落とし込むべきかを具体的に整理します。


目次

この記事でわかること

  • 役員借入金や仮払金がM&Aで問題になりやすい理由
  • 売却前に整理すべきオーナー関連勘定の全体像
  • 財務デューデリジェンスで見られるポイント
  • 企業価値評価や譲渡価格への影響
  • 事前整理の進め方と専門家の役割分担
  • 町田市・相模原市・多摩南部の中小企業が相談時に準備したい資料

1. なぜ役員借入金や仮払金がM&Aで重視されるのか

1-1. 中小企業ではオーナー関連勘定が発生しやすい

中小企業では、オーナー経営者が金融機関対応、営業、採用、資金繰り、設備投資判断まで幅広く担っていることが多く、会社と個人の資金の出入りが完全には分離されていないことがあります。たとえば、急な支払いのためにオーナー個人が会社へ資金を入れた、逆に一時的に会社が立て替えた、交際費や出張費を概算で処理したまま精算しきれていない、会社で使う車両や不動産が個人名義のままになっている、といった状態です。

平時には大きな問題として扱われなくても、M&Aでは第三者である買い手が会社を引き継ぐため、「誰が誰にいくら請求できるのか」「実質的に返済義務があるのか」「通常の事業運営に必要な費用なのか」「再発しない管理体制になっているか」を明確にする必要があります。つまり、役員借入金や仮払金は、単なる残高の話ではなく、会社のガバナンス、内部統制、会計の透明性、資金繰りの実態を映す指標として見られます。

1-2. 買い手は「見えにくい負担」を嫌う

買い手候補が嫌うのは、金額の大きさそのものよりも、内容が説明できない負担です。たとえば役員借入金が2,000万円あっても、契約関係、返済履歴、利息の取り扱い、返済方針が整理されていれば、交渉で処理できる論点に落とし込めます。ところが、同じ2,000万円でも、何年分の積み上がりなのか、実際には返済予定があるのか、税務上の整理が必要なのかが不明だと、買い手は「他にも見えていない論点があるのではないか」と考えます。

M&Aでは、見えにくいリスクは価格に厳しく反映されやすくなります。これは中小M&Aガイドラインの趣旨とも整合的で、当事者が情報の非対称性をできるだけ減らし、誠実に情報開示を進めることが、適切な成約への前提になるためです。役員借入金や仮払金の整理は、まさに情報の非対称性を減らす作業だといえます。

1-3. 企業価値評価では実態把握が重要になる

企業価値評価では、単純に決算書の簿価だけを見て判断するわけではありません。中小企業M&Aでは、実態収益力を基にした評価、時価純資産を踏まえた評価、将来のキャッシュ創出力を見た評価などを組み合わせて検討することが一般的です。その際、役員借入金や仮払金の内容によって、以下のような影響が出ます。

  • 実態の純有利子負債が増減する
  • 正常収益力を測る際にオーナー関連費用の調整が必要になる
  • 一時的な立替や私的支出が利益水準をゆがめている可能性が出る
  • クロージング時のネットデット調整や運転資本調整に関係する

つまり、勘定整理をしないまま売却交渉に入ると、評価の前提条件がぶれやすくなり、買い手と譲渡企業様の価格認識が合いにくくなります。


2. まず整理したいオーナー関連勘定の全体像

2-1. 役員借入金

役員借入金は、オーナーや役員が会社へ資金を貸し付けている状態です。中小企業では、金融機関借入だけでは足りない運転資金をオーナー個人が補ったり、創業時に自己資金を投入したりした結果、長年残っていることがあります。問題は、残高があること自体ではなく、次の点が曖昧なまま残っていることです。

  • いつ、何のために発生した資金か
  • 契約書や返済条件があるか
  • 利息をどう扱っているか
  • 売却時に返済する前提なのか、株式譲渡後も会社に残すのか
  • 一部が実質的には資本性資金とみるべきものではないか

買い手は、役員借入金を「クロージング前に返済してほしい」「譲渡対価とは別に精算したい」「一定額は残して分割返済にしたい」など複数の見方で検討します。譲渡企業としては、最初から処理方針を整理しておく必要があります。

2-2. 役員貸付金

役員貸付金は、会社から役員やオーナーへ資金が出ている状態です。M&Aでは、役員借入金以上に慎重に見られることが多い勘定です。なぜなら、実質的に回収可能なのか、私的流用ではないのか、税務上の問題がないのかが論点になりやすいからです。

役員貸付金が残っている場合、買い手は次のような疑問を持ちます。

  • 本当に回収できるのか
  • 返済原資はあるのか
  • 将来も同様の資金流出が起きないか
  • 税務リスクやガバナンス上の問題はないか

このため、売却前には、回収計画、相殺可能性、報酬調整、配当、資産売却など、現実的な整理方法を検討しておくことが重要です。

2-3. 仮払金・立替金

仮払金や立替金は、内容がきちんと説明できれば大きな問題にならないこともありますが、長期間残っていると一気に印象が悪くなります。たとえば、出張費、交際費、仕入関連の前払、緊急対応の概算支払いなどが未精算のまま残っていると、会計処理の精度や月次管理の水準に疑義が生じます。

特に注意したいのは、仮払金の中に次のようなものが混ざっているケースです。

  • 実際には役員貸付金に近い支出
  • 私用分が一部含まれる支出
  • 証憑不足で内容確認が難しい支出
  • すでに費用計上や資産計上すべき支出

こうした混在を放置したままIMや決算説明をすると、買い手の財務アドバイザーから細かい質問が連続し、回答負荷が大きくなります。

2-4. 個人名義資産・個人契約

会社で使っている不動産、車両、保険、リース契約、電話回線、システム契約、知的財産、ECアカウントなどがオーナー個人名義のままになっていることもあります。これらは貸借対照表上の一勘定ではなくても、実務上は極めて重要です。買い手から見ると「事業を引き継いだつもりでも、重要資産や契約の権利主体が会社ではない」という状態だからです。

この論点は、役員借入金や仮払金と同じく、売却前に一覧化し、名義変更可能性や契約承継条件を確認しておくべきです。


3. 財務デューデリジェンスで具体的に見られるポイント

3-1. 発生経緯の説明可能性

財務デューデリジェンスでは、残高だけでなく「なぜその勘定が存在するのか」が確認されます。たとえば役員借入金であれば、創業時の投入資金なのか、赤字補填なのか、設備投資資金なのか、コロナ禍など特定時期の資金繰り支援なのかによって、評価のされ方が変わります。

説明の裏付けとして見られやすい資料は次のとおりです。

  • 総勘定元帳
  • 試算表推移
  • 通帳写し
  • 借入契約書や覚書
  • 取締役会議事録や株主総会議事録
  • 税理士作成資料

資料がすべて揃っていなくても構いませんが、少なくとも発生経緯を時系列で説明できるようにしておくことが重要です。

3-2. 残高の実在性と回収・返済可能性

買い手は、その勘定が本当に生きた債権債務なのかを確認します。役員借入金であれば、会社に返済能力があるのか、株式譲渡対価とどう関係するのかが論点になります。役員貸付金であれば、回収できるのか、回収不能ならどのように処理するのかが焦点です。

ここで重要なのは、曖昧な希望ではなく、実行可能な処理案を持つことです。たとえば「いずれ整理します」では弱く、以下のように具体化すると交渉が進みやすくなります。

  • クロージング前に役員貸付金を全額返済する
  • 役員借入金の一部を譲渡対価受領後に返済する
  • 個人立替分を証憑確認後に未払費用へ振り替える
  • 私用混在部分をオーナー負担として精算する

3-3. 税務処理の整合性

会計上整理できても、税務上の扱いが不整合だと買い手は不安を持ちます。たとえば、役員貸付金に対する認定利息、実質的な役員賞与、私的流用認定リスク、過年度修正の要否などです。M&Aの交渉では税務デューデリジェンスが簡易的に行われることも多いですが、少なくとも明らかな論点は事前に洗っておくべきです。

3-4. 再発防止の管理体制

買い手が本当に知りたいのは、過去に問題があったかだけではありません。譲受後に同じ問題が起きないかも重視します。そのため、月次締めのルール、仮払精算期限、経費承認フロー、個人立替の制限、オーナー関連取引のルールなど、再発防止策を示せると印象が大きく改善します。


4. 役員借入金の整理方法と交渉の考え方

4-1. 役員借入金は「悪」ではない

まず前提として、役員借入金があること自体は珍しいことではありません。むしろ、中小企業の成長や資金繰りをオーナーが下支えしてきた結果として、一定の役員借入金があるのは自然です。問題は、その位置づけと処理方針が曖昧なことです。

町田市・相模原市・多摩南部の中小企業でも、金融機関借入だけでは機動的に対応しづらい局面で、オーナーが資金を入れて急場をしのいできた企業は少なくありません。買い手に対しては、その背景を誠実に説明しつつ、最終的にどう処理するのかを提示することが重要です。

4-2. よくある処理パターン

役員借入金の処理は、主に次のパターンに分かれます。

  • クロージング前に会社が返済する
  • クロージング時に譲渡対価とは別建てで精算する
  • クロージング後に一定期間で分割返済する
  • 一部を資本性として再整理したうえで交渉する

どの方法が適切かは、会社の資金繰り、金融機関との関係、買い手の希望、譲渡価格の水準によって変わります。重要なのは、返済原資を無理にひねり出して会社の運転資金を痛めないことです。売却前の見た目をよくするために現預金を大きく減らしてしまうと、かえってネットデット調整や運転資本調整で不利になることがあります。

4-3. 株式譲渡価格との関係

中小企業M&Aでは、「株式譲渡価格」と「役員借入金の返済」が別論点であるにもかかわらず、オーナーの体感では一体に見えやすいことがあります。たとえば、株式価値として3,000万円、役員借入金返済として2,000万円を受ける取引でも、総受取額は5,000万円です。一方で、買い手から見れば、株式価値3,000万円と負債返済2,000万円は全く意味が異なります。

この違いを整理せずに交渉すると、「思ったより安い」「いや、十分払っている」という認識ズレが生まれます。町田M&A総合センターでは、こうした価格構造の見え方を初期段階から整理し、譲渡企業が納得感を持って交渉できるよう支援しています。

4-4. 金融機関借入や保証との連動

役員借入金の整理は、金融機関借入や個人保証の解除見通しとも連動します。金融機関が役員借入金を実質的な資本として見ている場合、急激な返済が財務安全性を損なうと判断されることもあります。逆に、買い手がスポンサーとして十分な信用力を持つ場合には、借換えや条件変更と併せて整理できることもあります。

そのため、役員借入金の処理は、税理士だけでなく、M&Aアドバイザー、必要に応じて金融機関対応に慣れた専門家も交えて検討するのが実務的です。


5. 仮払金・個人経費の整理で見落としやすい点

5-1. 「金額が小さいから後でよい」は危険

仮払金や個人経費は、一件ごとの金額が小さいため後回しにされがちです。しかし、買い手のデューデリジェンスでは、少額案件の積み上がりが管理水準の評価に直結します。数万円単位の未精算が何十件も残っていると、それだけで月次管理の精度や内部牽制の弱さが見えてしまいます。

特に、以下のような状態は早めに整理したいところです。

  • 1年以上動いていない仮払金
  • 内容欄が「雑費」「立替」だけのままの仕訳
  • 領収書や請求書が見つからない支出
  • 私用と業務用が混在するカード利用
  • オーナー家族関連費用が会社負担になっている可能性

5-2. 税務上の修正とM&A上の修正は分けて考える

仮払金や個人経費については、「税務上どう直すか」と「M&A上どう見せるか」を混同しないことが大切です。税務上は過年度修正や追加申告が必要になる場合があっても、M&A上はまず事実関係を明らかにし、どの項目が一過性なのか、どの項目が正常収益力の調整対象なのかを整理する必要があります。

たとえば、オーナー私用分の通信費や車両費が年間で一定額混在していた場合、買い手は「本来なら会社費用ではないので利益を上乗せして見たい」と考えるかもしれません。これは譲渡企業にとって必ずしも不利ではなく、適切に整理すれば企業価値評価を改善する材料にもなり得ます。

5-3. クレジットカード利用明細の扱い

中小企業では、法人カードと個人カードが混在しているケースがあります。M&Aでは、カード利用明細は想像以上に重要です。なぜなら、仮払金・立替金・交際費・旅費交通費・消耗品費などの実態を横断的に確認できるからです。

売却前には、少なくとも直近1年分程度について、次の整理をおすすめします。

  • 個人利用の有無を確認する
  • 業務関連の説明を補足する
  • 定期課金の契約主体を確認する
  • 私用分があれば精算方針を決める

これだけでも、DD時の質問はかなり減ります。


6. 個人名義資産やオーナー依存をどう扱うか

6-1. 名義だけの問題ではない

事業に必要な資産や契約が個人名義のままだと、単なる名義変更の問題では済まないことがあります。たとえば、工場や事務所の賃貸借契約がオーナー個人名義、主要車両が個人所有、許認可の前提となる設備が個人名義、ECアカウントやドメインが個人管理、といったケースです。

買い手は、「譲受後に安定して事業を継続できるか」という観点から見ます。したがって、個人名義資産の論点は、役員借入金以上に事業承継の実行可能性へ直結することがあります。

6-2. 事前に一覧化すべき項目

以下は、売却前に一覧化しておきたい代表例です。

  • 不動産の所有名義
  • 事業用車両の名義
  • リース契約の契約主体
  • 保険契約の契約者・受取人
  • システム、ソフト、クラウド契約の管理者
  • ドメイン、メール、SNS、ECアカウントの権限者
  • 商標、意匠、著作物など知的財産の権利主体

一覧化の目的は、すべてを即時解消することではありません。どこに論点があるかを可視化し、譲渡前に解消する項目、契約条件で処理する項目、クロージング後の移行計画に落とし込む項目を分けることにあります。

6-3. オーナー依存の説明も必要

勘定整理とあわせて重要なのが、オーナー依存の可視化です。特定取引先との関係、採用、仕入先交渉、クレーム対応、品質判断などがオーナー個人に集中している場合、買い手は引継ぎ期間を重視します。勘定整理だけ整っていても、実務の引継ぎ計画が弱いと、最終条件が厳しくなることがあります。


7. 具体例で見る整理の進め方

7-1. 事例A 製造業 役員借入金が大きいケース

町田市周辺の製造業を想定した例です。オーナーが創業以来、設備投資や運転資金の不足時に個人資金を入れており、役員借入金残高は3,500万円。利益は安定しているものの、返済スケジュールは決まっておらず、金融機関も実質資本として見ています。

この場合の進め方は次のようになります。

  • 発生年度ごとの残高推移を整理する
  • 設備投資資金と赤字補填を切り分ける
  • 金融機関との関係を確認する
  • 買い手候補に対しては、株式譲渡価格と借入金返済を分けて提示する
  • 返済時期をクロージング条件として整理する

ここで無理に売却前返済をすると資金繰りが悪化するため、会社の安全性と買い手の納得の両方を満たす条件設計が重要です。

7-2. 事例B サービス業 仮払金が多いケース

相模原市周辺のサービス業を想定した例です。店舗運営で現場裁量が大きく、仮払金・立替金が複数スタッフとオーナーに分散。総額は大きくないものの、未精算が長期化しています。

このケースでは、金額より管理精度の問題として見られます。対応としては、

  • 未精算一覧を作る
  • 3か月以上残っている項目から優先整理する
  • 証憑不足分は事実関係をヒアリングする
  • 私用混在があればオーナー負担とする
  • 今後の精算ルールを文書化する

この一連の整理を行うことで、買い手への説明がしやすくなり、内部管理の改善姿勢も伝わります。

7-3. 事例C 建設関連業 個人名義資産が多いケース

多摩南部の建設関連業を想定した例では、事業用車両の一部、資材置場、携帯回線、主要ツール契約がオーナー個人名義でした。売上は堅調でも、譲受後にそのまま使えるのかが曖昧で、買い手が慎重になっていました。

この場合、重要なのは名義の洗い出しと優先順位付けです。すべてを一度に変えるのではなく、

  • 事業継続に必須の資産・契約を特定する
  • 譲渡前に移せるものを移す
  • 相手方承諾が必要な契約は早めに確認する
  • クロージング後移行でもよい項目はスケジュール化する

という段取りで進めるのが現実的です。


8. 売却前にやってはいけない対応

8-1. 証憑がないまま無理に仕訳だけ直す

見栄えをよくしたいあまり、証憑や裏付けがないまま機械的に振替仕訳をすると、あとで説明できなくなります。M&Aでは、数字を整えること以上に、説明可能性が重要です。仕訳だけ整えても、質問に答えられなければ逆効果です。

8-2. 買い手に知らせず重要な精算を進める

基本合意後やDD開始後に、役員借入金・役員貸付金・個人関連取引を大きく動かす場合は、開示のタイミングに注意が必要です。内容によっては「隠して調整した」と受け取られかねません。秘密保持を徹底しつつ、必要な相手には適切なタイミングで説明することが重要です。

8-3. 税務・法務・M&Aの視点を分けずに独断で決める

勘定整理は、税理士の視点だけで決めるとM&A条件に合わないことがあり、逆にM&A目線だけで進めると税務リスクを残すことがあります。さらに、契約や名義の問題が絡めば法務論点も出ます。単独判断で一気に処理するより、専門家の役割分担を明確にして進めるほうが安全です。

8-4. 会社の現預金を減らしすぎる

役員借入金返済や過去精算を急ぐあまり、会社の現預金を大きく減らしてしまうと、運転資金不足や金融機関への説明負担が生じます。M&Aでは、見た目の整理より、事業継続性を損なわないことが優先です。


9. 実務上の進め方 どの順番で整理するべきか

9-1. 第1段階 勘定科目の棚卸し

まずは総勘定元帳、試算表、補助元帳を確認し、オーナー関連勘定を一覧化します。役員借入金、役員貸付金、仮払金、立替金、未収入金、未払金、関係会社勘定、個人名義資産に関連する支出など、論点になりそうな項目を漏れなく抽出します。

9-2. 第2段階 内容確認と証憑確認

次に、各項目の内容を確認します。証憑の有無、発生年度、相手先、目的、継続性、返済や精算の予定などを整理し、説明メモを作ります。このメモは、のちのIM作成やDD回答で非常に役立ちます。

9-3. 第3段階 処理方針の決定

抽出した論点について、

  • 売却前に解消する
  • クロージング条件に入れる
  • 買い手へ開示したうえで残す
  • 価格調整で吸収する

のどれに当たるかを決めます。ここで重要なのは、会計処理だけでなく、交渉条件としてどう見せるかを同時に考えることです。

9-4. 第4段階 開示資料への反映

整理した内容は、ノンネームシートの段階で全部出す必要はありませんが、IMや面談資料、DD回答で説明できるように整備しておく必要があります。秘密保持を守りつつ、買い手の不安を過不足なく減らす情報開示が重要です。

9-5. 第5段階 最終契約・クロージング条件への落とし込み

最終的には、株式譲渡契約やクロージング前提条件、精算条項、表明保証、補償条項などに反映されます。ここまで見越して初期整理をしておくと、後半戦の交渉が格段に進めやすくなります。


10. 町田市・相模原市・多摩南部の中小企業が相談時に準備したい資料

以下の資料があると、役員借入金や仮払金の整理方針を検討しやすくなります。

  • 直近3期分の決算書
  • 直近の試算表
  • 総勘定元帳
  • 役員借入金、役員貸付金、仮払金の補助明細
  • 金融機関借入一覧
  • 主要契約一覧
  • 個人名義資産・契約の一覧
  • 気になっている論点のメモ

もちろん、最初から完璧に揃っていなくても問題ありません。重要なのは、「どこが曖昧で、どこに不安があるのか」を共有することです。初回相談では、資料の不足を責めるより、売却に向けて何から整えるべきかを整理することが大切です。


11. 相談前によくある質問

11-1. 役員借入金が多いと会社は売れませんか

売れないとは限りません。役員借入金の背景が合理的で、処理方針が整理されていれば、十分に成約可能です。むしろ中小企業ではよくある論点です。大切なのは、残高を隠さないこと、返済の考え方を整理すること、会社の資金繰りを傷めない条件設計をすることです。

11-2. 仮払金が昔から残っていますが今からでも間に合いますか

間に合うケースは多いです。すべてを完全解消できなくても、内容の棚卸しと説明メモの整備だけで印象はかなり変わります。DD前に着手できれば十分意味があります。

11-3. 税理士に相談すれば十分ですか

税理士への相談は重要ですが、M&Aでは価格交渉、開示方法、契約条件、買い手の受け止め方まで含めて考える必要があります。税務、会計、M&A実務をつなげて整理することが大切です。

11-4. 譲渡企業手数料0円でもこうした相談はできますか

町田M&A総合センターでは、譲渡企業手数料0円の方針を掲げつつ、売却前の論点整理や買い手候補探索、秘密保持を踏まえた進行支援にも力を入れています。費用面に不安があって動き出せない方でも、早めに相談いただくことで選択肢が広がります。


12. まとめ

役員借入金、役員貸付金、仮払金、個人経費、個人名義資産の問題は、東京都町田市・相模原市・多摩南部の中小企業M&Aで非常に現実的な論点です。これらは単なる経理の細目ではなく、企業価値評価、買い手候補の安心感、デューデリジェンス対応、最終契約条件に直結します。

重要なのは、完璧に見せることではありません。現状を把握し、説明できるようにし、売却前に直すべき項目と交渉で扱うべき項目を分けることです。早めに着手すれば、価格面でも、進行面でも、心理面でも有利に働くことが多くあります。

町田M&A総合センターは、町田市・相模原市・多摩南部の中小企業を中心に、会社売却、事業承継、企業価値評価、秘密保持を踏まえた買い手候補探索、中小M&Aガイドラインに沿った進行支援を行っています。役員借入金や仮払金が残っていて「この状態で売却相談してよいのだろうか」と迷われている場合こそ、早い段階でご相談ください。整理の優先順位を一緒に確認し、無理のない形で売却準備を進めることができます。

一般的なご相談は、お問い合わせフォームから、会社売却・事業承継のご相談は、売却相談フォームからご連絡いただけます。数値や勘定の不安がある段階でも問題ありません。初期整理から丁寧に進めたい方は、町田M&A総合センターまでお気軽にご相談ください。

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運営会社

株式会社M&A Do

〒107-0061 東京都港区北青山一丁目 3 番 1 号 アールキューブ青山 3 階
代表取締役: 濱田 啓揮
設立年月日: 2021年4月2日
適格請求書発行事業者番号: T8010001217238

運営会社情報 / 公式サイト

連絡先

03-4560-0084

受付: 平日 10:00-17:00
info@ma-mado.com

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